久しぶりに祖父にあったら、想像以上に弱っていて戸惑いを隠せなかった。
人工呼吸器を繋がれながら、薄い目を開けて、私の話を聞き弱々しく少しづつ言葉を紡いで言ってくれる言葉は、私の心に染みながら同時に涙がじわじわ溢れてきた。
もうこれ以上元気になることが難しそうな現実、はじめて身内がこの世からいなくなってしまうかもしれない事実が苦しくて悲しくて、滞在時間が長いほど涙が止まらなかった。
本人を勇気づけたり、私の楽しい話をした方がいいのに、ずっと考え込んでばっかでうまく話せなかった。
介護士さんに「スラっとしたお孫さんが来ましたよ」と話したら、私の名前を伝えてくれて、「よくやってくれた」と話してましたよと教えてくれた。
母から記憶も曖昧になってきてると聞いたので、覚えててくれて素直に嬉しかった。
正直こんなに悲しいとは思ってなかった。
元気な姿しか見たことがなかったし、私の力ではどうにもできないところにいるのが悔しくて悲しかった。
色々あったけど、大切な人がいなくなってしまうかもしれないのはすごく悲しいのだと思ったと同時に、会える時に会わなければと強く思った。
交わした握手は強くて、左手の方が近いのにわざわざ奥の右手を出してくれて、ずっと握っていたかった。